都市伝説:コンクリートににバッテリーを置いておくと消耗する
これはかなり有名な都市伝説で、整備工場でずっと働いてきた多くの人たちでさえ、コンクリートの上にバッテリーを置くと充電が切れると言うでしょう。結局のところ、この都市伝説には実際に根拠がある、または少なくとも以前は根拠がありました。バッテリーのケースが現在の出回っている頑丈なものになる前は、コンクリートや湿った床によってバッテリーの電力が失われることは珍しくありませんでした。
ですが今ではそのようなことはなく、コンクリートが車のバッテリーに悪影響を及ぼすことはありません。コンクリートの上に置いている間にバッテリーの充電が失われるのであれば、それはおそらく長時間放置しすぎただけでしょう。
都市伝説:暑くなる前にガソリンを入れると給油量が増える
この都市伝説は、ガソリンの価格が上がり始めるたびに話題になります。早朝にガソリンを入れると、日中の暑い時間帯とは対照的に、ガソリンがたくさん入るというものです。ガソリンは外気温が暑ければ体積が増え、寒ければ体積が減るからです。ですが、通常ガソリンは外気温の影響を受けない地下のタンクに貯蔵されているため、この都市伝説が真実である可能性は極めて低いです。
そして多くの情報源を基に言えば、万が一、寒さが給油量に影響を及ぼすようなことがあったとしても、おそらく数円の節約にしかならないでしょう。
都市伝説:オイルフィルターの拭き取りは効果的
世の中には、車やトラックにオイルフィルターを取り付ける前は、必ずフィルターの蓋をきれいに拭き取るべきだという都市伝説があります。これはおそらく、自分でオイル交換をしたことがある人なら驚かないでしょうが、これは全くの誤りです。オイルフィルターの上蓋をきれいに拭く必要があるのは、ねじを締めている間に蓋が汚れてしまった場合のみで良いのです。
フィルターを取り付ける前に、上部にあるゴム製逆止弁の周りについた汚れたオイルを拭き取っておくと、ねじを締めた後にしっかりと密閉されます。そうしないと、逆止弁がうまく機能しない場合があります。
都市伝説:エンジン始動はアイドリングよりも燃料を消費する
燃料の残量があまりに少なくて、ガソリンを節約するために車のエンジンを切るべきかアイドリングのままにしておくべきか、頭の中で中途半端な計算をせざるを得ない状況に陥ったことがある人は多いでしょう。昔から "アイドリングさせておくよりもいったんエンジンを停止して再始動したほうがガソリンを使う" という言い伝えがあります。ですが本当にそうなのでしょうか?今度もし給油ランプの警告灯が点灯していたらどうすればいいのでしょうか?
30秒以上その場所に留まっているつもりなら、車のエンジンを切っても大丈夫でしょう。なぜなら、新型の燃料噴射式自動車は通常、エンジン始動の際に多くのガソリンを必要としないという点で優れているからです。
都市伝説:給油中に携帯電話を使ってはいけない
すべてのガソリンスタンドの給油機にあるわけではないかもしれませんが、給油している間は携帯電話を使わないようにというサインがある給油機には今でも出くわすことがあります。ですがこの標識は、今回の記事でご紹介している他の都市伝説と同様、別の時代を思い起こさせるものであることが判明しました。携帯電話がもっと大きく、大きなアンテナがついていた時代には、火花がガソリンに引火する可能性があったのかもしれません。
しかし、今はそんなことは起こりません。現代の携帯電話は給油中に使ってもまったく問題ないのです。複数の研究者や "伝説バスターズ(MythBusters)" というテレビ番組でさえ、以前この検証に取り組み、携帯電話を使ってもガソリンに引火することはないことを証明しています。
都市伝説:有名ガソリンスタンドで給油しないと車に悪影響
住んでいる場所にもよりますが、通常はENEOSや出光といった有名なガソリンスタンドで給油することが多いでしょう。ですが有名ガソリンスタンドチェーンだけが選択肢というわけではありません。そしてなぜか、小規模なガソリンスタンドは有害なガソリンが流通していることがよくあります。実際のところ、小規模なガソリンスタンドも大手と同じ工場からガソリンを調達しているはずです。唯一の違いは、両者がガソリンに入れる添加剤の量でしょう。
通常、大手ガソリンスタンドは、ガソリンに多くの添加剤を入れていますが、小規模なガソリンスタンドのガソリンにはまったく問題はありません。ガソリンの品質に関する唯一の問題は、タンクが適切にメンテナンスされていないというものですが、これは規模の大小にかかわらず簡単に発生する可能性があります。
都市伝説:小型車は常に燃費が良い
論理的に考えれば、小型車の方が、重くてパワフルな装備の車よりも燃費がいいのは当然です。そして実際も、その通りです。ただし、エンジンの燃費効率は近年大きく向上しており、大型SUVやトラックの燃費は6~7年前に比べてはるかに良くなっていると言えます。それでも重量が軽いので、このカテゴリーでは小型車の方が有利なのが普通です。
もちろんこのルールには例外もあり、ハイブリッドエンジンやより低燃費なテクノロジーを搭載した一部のSUVやトラックは、小型のライバル車よりも高いスコアを収めるものもあります。
都市伝説:ディーゼルの代わりに植物油が使える
これはかなり古い都市伝説ですが、野菜をディーゼルの代用品として使うことができるというものです。もしあなたが昔、おそらく古いトラクターで、勇気を出してこれを試してみたなら、おそらく大丈夫だろうということが判明するでしょう。ですが当時とは状況が変わっているので、ピカピカのディーゼルトラックに植物油を使うことは、おそらく多くの害をもたらすでしょう。なぜ "おそらく" かというと、それを試す勇気がないからです(笑)
植物油の粘度は、新しいエンジンには粘度が高すぎます。一方、古いディーゼルエンジンはそれほど複雑ではなく、何があっても走り続けることができました。
都市伝説:アイドリングストップシステムは燃料消費が激しくバッテリーにも悪影響
アイドリングストップシステムを極端に嫌がる人は多いので、都市伝説が出現するのも不思議ではありません。アイドリングストップシステムは燃料を多く使い、スターターを破壊し、車のバッテリーの電力を消耗させます。なのでアイドリングストップシステムは煩わしいものですが、実際には燃費が向上することをお伝えしたいです。さらに、このシステムが搭載されている車のスターターは、技術向上のおかげで確実に強化されているため、影響は受けないのです。
これらのシステムは一般的なバッテリーだと負担になりますが、アイドリングストップシステムを搭載するほとんどの車には通常特別なバッテリーが使われており、交換時期が来たら同じタイプのバッテリーを購入する必要があります。
都市伝説:食器洗い用洗剤で洗車できる
これはかなり意見の分かれる都市伝説です。ドーン(Dawn)などの食器用洗剤は洗車に使っても大丈夫なのでしょうか?Googleで検索してみると、様々な答えが見つかり、おそらく "洗車には使わない方が良い" という回答がほとんどでしょう。ですが真実はもう少し複雑です。食器用洗剤は、確かにピカピカにしてくれる効果があります。が、そのせいでワックス仕上げを剥がしてしまうことでも知られています。
また、コンシューマー・レポートは、自動車専用に作られた洗剤を使用することを推奨していますが、塗装作業にかかる費用を考慮すると、安全のためにその推奨に従うほうがよいでしょう。
都市伝説:アルミはスチールよりも安全
近年、多くの自動車メーカーが自動車部品をスチール製からアルミ製に切り替えています。それはなぜでしょうか?その理由の多くは、アルミの軽量化が燃費向上につながることに関係しています。ですがドライバーにとって、スチールとアルミどちらが安全なのでしょうか?後者は柔らかい金属ではありますすが、そのおかげで自動車メーカーはより良いクラッシャブルゾーンを作ることができ、より安全な衝突を実現できるようになりました。
スチールと比較した場合、アルミは衝撃を吸収する能力にも優れています。つまり大局的に見れば、アルミは賢く利用すればスチールよりも安全ということになります。
都市伝説:韓国製の車は低品質
これもまた、昔は真実に基づいていたかもしれない都市伝説です。しかし、競合他社に比べてまだ比較的安価であるにもかかわらず、ヒョンデやキア自動車のような韓国企業は、実際にはかなり良い車を作っています。もちろん、必ずしも常にそうだったわけではないので、そこからこの都市伝説が始まったのかもしれません。ですが今日、特に価格を考慮すると、韓国製の車の多くはかなり優れたパフォーマンスを発揮しています。
実際、ワイアード(WIRED)誌によると、2019年、品質に関しては韓国の自動車メーカーがアメリカやヨーロッパ車メーカーに勝っているとJDパワーが述べたそうです。韓国メーカーの次がアメリカ、次いで日本、ヨーロッパらしく、ちょっと意外ですよね。
都市伝説:電気自動車はガソリン車よりも火災になりやすい
表面的には論理的に思えるかもしれない都市伝説をご紹介します。それは、電気自動車はガソリン車よりも発火する可能性が高いというものです。これについてはいくつかの研究がなされていますが、いずれも真実ではないことが判明しています。単純にガソリン車は電気自動車よりも可燃性が高く、火災になりやすいのです。とはいえ、電気火災はガスによる火災とは異なるため、多くの救急隊員はまだこの変化に適応できていません。
しかし依然として、ガソリン車の方が電気自動車よりはるかに発火する可能性が高いという事実は、それぞれの車の走行台数を調整してもなお、数字が裏付けています。
都市伝説:テールゲートを下げるとガソリン代が節約できる
これも古い都市伝説で、どこから来たのかは定かではありませんが、車のテールゲートを下ろして運転すると空気抵抗が減るというのは、論理的な考えなのかもしれません。確かに、道路を走っているときに風がテールゲートの後ろに当たると、抵抗が増してスピードが落ちるのではないでしょうか?しかし、実際はそうではないことが判明しました。むしろテールゲートを下ろして走ると空気抵抗が大きくなるのです。
私たちはエンジニアではないので、それがどのように機能するのか正確にはわかりません。しかし、テールゲートを下げたまま走ると空気の渦が発生し、抵抗が大きくなることを、エンジニアの人たちはずっと前に突き止めていたのです。
都市伝説:エアコンを使うと燃料消費量が増える
これに頼って生きている人もいる都市伝説です。それは、外が記録的な気温になっていたとしても、燃料を節約したいがためにエアコンを使わないというものです。しかし、本当にエアコンを使うと燃料の消費量が増えるのでしょうか?実はその通りなのです。外気温が40℃以上のときに窓を閉めたり、エアコンを使うなと言っているわけではありませんが、燃料の消費量は少し多くなっているということは念頭に置いておきましょう。
平均的な燃料消費量は車種によって大きく異なりますが、一部の情報源によると平均は約1.3km/L程度らしく、これはじゅうぶんな数値であると言えます。
都市伝説:マニュアル車の方がオートマ車より燃費が良い
ここにもうひとつ、かつては実際に多くの根拠があった都市伝説をご紹介します。オートマ車が今日のように性能が向上する前は、ガソリン代の節約(そして運転を楽しむ)という点ではマニュアル車の方が優れていました。しかし悲しいかな、今日ではオートマ車の方があらゆる面で優れています。燃費がいいだけでなく、どんな状況でもシフトチェンジがしやすいからです。
また、古いオートマ車は信頼性が低く故障しやすいことで知られていましたが、これは車の寿命を延ばす可能性が高いことも意味します。
都市伝説:赤い車に乗っている人は保険料が高くなる
これは少し奇妙な話ですが、ほとんどの人が耳にしたことがある話でもあるでしょう。それは、赤い車は他の色の車よりも保険料が高いという都市伝説です。赤いスポーツカーについて考えればなんとなく納得できますが、それだけです。そして実のところ、この都市伝説には何の根拠もありません。保険会社は、スピード違反や事故を起こしやすいかどうかを判断する、より信頼性のある方法を知っているのです。
その変数には、車のタイプやドライバーの年齢などが含まれます。なぜなら、速いスポーツカーに乗っている10代の若者は、トラックやSUVに乗っている年配のドライバーよりもスピードを出す可能性が高いからです。
都市伝説:車は銃弾を防ぐ
ほとんどのハリウッド映画によれば、銃弾を防ぐという点では、車はレンガ造りの壁と同じくらい優れています。ですが、実はそうではないのです。もちろん弾丸の口径にもよりますが、22口径以上だと、車のドアを貫通させるほどの威力があるものがほとんどなのです。とはいえ、銃撃戦の際に身を隠すのに使えるので、まったく役に立たないというわけではありません。
もちろん、これを読んでいる人がそのような状況に陥ることがないことを願うばかりですが、もしそのような状況に陥ったとしても、車の金属は実際にはかなり薄いということを覚えておいてください。
都市伝説:マッスルカーは曲がれない
世間の常識で言えば、マッスルカーが得意とすることはただひとつで、直線で加速するということです。昔はどの町にもドラッグストリップ(ドラッグレースでレースカーが走る1/4マイルの直線トラック)があったものですが、今はもうなくなってしまいました。今日のマッスルカーは、サーキットで外国車と互角以上に渡り合い、近年では多くのマッスルカーが実績を残しています。
それだけでなく、アグレッシブなスタイル、大型V8エンジン、そして人気の理由となっているサウンドを犠牲にすることなく、それを実現したのです。もちろん、路上でV8エンジンを見ることができる最後の時代が近づいているのは事実でしょう。
都市伝説:旅路は行きより帰りの方が早く感じる
これは都市伝説というよりも、誰もが経験することです。そして、もしあなたが、目的地までの旅路よりも帰りの方がずっと速く感じたことがあるのなら、私たちが何を言っているのご理解いただけるでしょう。実はこれには "往復(復路)効果" という名前がついています。研究者たちは、この効果に対する原因として、その場所に対する慣れや、そもそもその場所に行きたいという熱意など、いくつかの異なる理由を指摘しています。
後者は確かに理解できます。常に時計をチェックしていたり、どこかに行くのを待っている時は、時間の流れがゆっくりに感じられるからです。小学校の頃をぜひ思い出してみてください。
都市伝説:電気自動車はガソリン車より高価
これはかなり疑いの余地のない都市伝説です。電気自動車はガソリン車よりも高価だというものです。これは見方次第かもしれません。電気自動車の平均的な初期費用は、ほとんどの場合ガソリン車よりも高くなります。ですがその代わりに、ガソリン車よりも少しの間価値が落ちにくくなります。
通常、電気自動車はガソリン車よりもメンテナンスがはるかに少なくて済みますが、メンテナンスが必要な場合は、認定ディーラーに行き、割高な料金を支払わなければならないことは考慮した方がいいかもしれません。
都市伝説:電気自動車のバッテリーの寿命は数年
個人的には聞いたことがないのですが、電気自動車のバッテリーは数年でダメになりやすいという都市伝説があるようです。しかし、ご想像の通りこれは誤りです。JDパワーによると、電気自動車のバッテリーの大半は寿命が10年~20年程度です。ただし、この数値は車が高温環境運転および保管されているかどうかによっても変動します。
JDパワーよれば、電気自動車のバッテリーは暑い気候だとあまり性能が良くないそうですが、それでも数年よりはずっと長持ちするそうです。
都市伝説:電気自動車に使用される鉱物は子どもたちが採掘している
これは少し複雑です。電気自動車の製造に使われている鉱物の大部分には、児童労働は関係していません。ですが、だからといって悪質な業者がいないわけではないです。アメリカの労働省によると、コンゴ民主共和国でのコバルトの採掘には児童労働が関わっていたそうです。そこで採掘されたコバルトは、おそらく携帯電話のバッテリーから自動車のバッテリーまで、あらゆるものに使われていることでしょう。
さらに他の地域の採掘事情についても懸念があります。しかし近年は、こうした国々からの鉱物がサプライチェーンに入ることを禁止する取り組みも進んでいます。
都市伝説:車線変更をした方が目的地に早く着ける
この問題が人々を二分することは分かっています。車線変更をして車を追い越した方が、自分がいる車線を走り続けるよりも早く目的地に着くことができるのでしょうか?もちろん状況にもよりますが、ほとんどの場合、"車線変更をしても、元の車線で走り続けるよりも早く目的地に着くことはできない" ということが研究で明らかになっています。
ただし、何事にも言えることだが、車線を変更したほうが少しでも早く目的地に着ける場合もあるでしょう。
都市伝説:車の燃料タンクを撃つと爆発する
車にまつわるハリウッド映画でのお決まりのシーンで、燃料タンクを撃って爆発させるというのは最も論理的かもしれません。ですが悲しいかな、それは事実ではありません。というのも、"伝説バスターズ(MythBusters)" が以前、これとまったく同じ実験を行ったからです。その結論は、これは完全に誤りであり、車の燃料タンクを撃っても大規模な爆発は起こせないというものでした。
とはいえ、試しに燃料タンクを撃ってみることはオススメしません。一部の情報によると、曳光弾(トレーサー)が効くという説もあるようです。
都市伝説:クーラントは交換しなくて良い
この都市伝説を思いついた人は、単にあなたの車に害を与えようとしていただけでしょう。クーラントはオイル交換ほど頻繁に交換する必要はありませんが、特に寒さ厳しい場所に住んでいる場合は、かなり定期的にクーラントをチェックし、タンクに十分な量が入っていることを確認した方が良いでしょう。さらに、5年または約50,000kmごとに全量交換することをお勧めします。
そうしないとライン内の水がすべて凍結して車が高温になり、エンジンにとって悪影響を及ぼす危険性があります。
都市伝説:タイヤには空気より窒素の方が良い
タイヤには空気よりも窒素の方が良いという古い都市伝説があります。実際にこの都市伝説にはある程度の真実性がありますが、その価値があるかどうかは、カーオーナーのタイプにもよるかもしれません。空気の代わりに窒素を使うことで、時間の経過に伴う空気圧の低下が大幅に遅くなります。また、空気は窒素よりも多くの水分を含んでいる可能性があるため、タイヤにも良い場合があります。ただし、価格もかなり高くなります。
タイヤに窒素を充填すると、1本あたり4,000円以上かかることもあります。したがって、定期的にタイヤの空気圧をチェックすれば、わざわざ高い窒素を使う必要はなくなります。
都市伝説:車のバッテリーは5年以上もつ
これは少し驚くべき事実ですが、AAA(アメリカ自動車協会)によると、約42%の人が車のバッテリーの寿命は基本的に5年まで保証されていると思っています。考えたこともありませんでしたが、実はバッテリーの寿命は通常3年~5年で、それ以上長持ちするものはありません。この数字は、あなたの運転習慣や住んでいる地域の気候によっても大きく変動します。
要するに、たいていのバッテリーは5年も持たないということです。車のエンジンを切らずにラジオをつけ続けたせいでバッテリーが寿命を迎えたときのために、予算を組んでおく必要があるでしょう。
都市伝説:タイヤの残り溝が1.6mm以下になるまで交換不要
経験則では、タイヤの溝が1.6mm以下になった時点で交換すべきです。法律でも定められており、タイヤの残り溝が1.6mm以上(車のタイプによる)でないと車検に通りません。ですが本当にこれがベストなのでしょうか?実は、タイヤは残り溝が1.6mmになる前にトラクションを大幅に失っているのです。AAAによると、残り溝が4mmくらいになると、雨天時のタイヤのトラクションはすでにかなり低下しており、この数値あたりで交換することを勧めています。
もう少し待つ場合には、トラクションが低下している状態で運転しているということを意識し、慎重に運転するようにしてください。
都市伝説:コンバーチブルは非常に危険
長い間、コンバーチブルはハードトップに比べてはるかに危険であるというのが常識でした。論理的に理にかなっていると思いますよね?車の上部と金属をすべて取り外してしまうのですから、構造的な完全性やそれに伴う安全性が失われるのは確実です。しかし、後期モデルのコンバーチブルについて行われた研究によると、同じ型式を含めて、ハードトップの車と同じくらい安全であることが判明しています。
これは、自動車メーカーがコンバーチブルを強化し、高性能車やオフロードSUVの場合はロールバーを追加したことも要因の一つとしてあるかもしれません。理由は何であれ、コンバーチブルを運転しているドライバーの皆さんは少し安心できますね。
都市伝説:エンジンが大きければパワーも大きい
確かにかつては、エンジンの大きさが馬力の大きさとイコールだった時代がありました。しかし多くのカーマニアが知っているように、今は必ずしもそれが当てはまるわけではありません。小さなエンジンにターボチャージャーを装備するだけで、より大きなエンジンを搭載した車に追いつき、追い越すことができます。もちろん、大型V8エンジンにも同じことが言えます。
私たちが言いたいのは、エンジンのサイズが必ずしも馬力やスピードとイコールであるとは限らないということです。
都市伝説:AWDと4WDは2WDより壊れやすい
この都市伝説は、よく考えてみれば論理的に少しは筋が通っています。AWDや4WDの車は2WD車よりも壊れやすいというものです。ですが実際にはそうではありません。AWDであろうと2WDであろうと、装備されているブレーキの数は同じです。実際に違いを生むのは、車両に装備されているブレーキの品質とタイヤの種類でしょう。
例えば、大型のローターや高性能ブレーキパッドを装備している車は、一般的なブレーキパッドを装備している車よりも素早く止まることができます。同じことがパフォーマンスタイヤにも言えます。
都市伝説:ABSは急停止に適している
ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)は、現代の車ではかなり普及しています。実際、2004年頃から法的に義務付けられました。ABSは基本的に、ブレーキを踏んだ際にタイヤが完全にロックされることを防ぎ、ドライバーのコントロール性を高めてくれます。ですがABSは実際に車のブレーキ性能を向上させるのでしょうか?米国運輸省道路交通安全局によれば、YESでもありNOでもあるそうで、雨天時の制動距離が14%短縮されることがわかっています。
ただし、通常のドライコンディションでは制動距離にまったく影響を与えないこともわかっています。つまり、この都市伝説は半分正しいと言えるでしょう。
都市伝説:乗り心地を良くするにはタイヤの空気圧を下げるべきか?
つまり、タイヤの空気圧を低くすると乗り心地がずっと滑らかになるという都市伝説です。タイヤの空気圧が高ければ高いほど弾みやすくなり、乗り心地が悪くなるはずなので、理論的にはある程度理にかなっていますよね?答えはYESです。タイヤの空気圧を下げると、乗り心地はごくわずかに滑らかになります。タイヤレビューマガジン誌(Tire Review Magazine)によると、タイヤの故障や破裂の主な原因は空気圧不足なので、おそらくこれはやる価値がありません。
タイヤの空気が少ないと路面に接する面積が増え、摩擦やたわみが大きくなるということなので、パンクにつながる可能性があるのです。
都市伝説:バッテリーが上がってしまったらジャンプスタートが効果的
この都市伝説がどこから来たのかは定かではありませんが、都市伝説によると、バッテリーが上がってしまった場合ジャンプスタートをすると良いそうです。特に新しいバッテリーに交換する時期であればなおさらです。ジャンプスタートでできることは、車をクランクさせるのに十分なパワーを与えることだけです。ジャンプスタートをした後は、エンジンを暖気させるか、可能であれば、オルタネーターを正常に動作させるために少し走行させることをお勧めします。
また、バッテリーを充電器に接続して充電することもできます。ほとんどの充電器やジャンプスターターには、バッテリー電圧が表示されます。
都市伝説:クーラントはオイルと一緒に交換する
多くのオイル交換ショップでは、自動的にクーラントを交換してくれるか、少なくともオイル交換のたびに点検してくれるので、これはそれほど重要なことではありませんが、本当に必要なのでしょうか?都市伝説では、オイル交換のたびにクーラントも交換するべきだと言われています。しかし実際には5年ごと、あるいは約50,000kmごとにクーラントを洗浄・交換すれば良いのです。
本当に重要なのは、時々クーラントのレベルをチェックし、不足していないか、どこかに漏れがないかを確認することです。
都市伝説:寒冷時の運転には暖機が必要
これはかなり広く浸透している都市伝説ですが、実はちょっとした面白い歴史があるのです。その都市伝説とは、運転する前に車をアイドリングさせて暖気する必要があるというものです。かつて主流だったキャブレター車は、実際にそうでした。昔、車を十分に暖気させないと、道路を走っている間にエンストしてしまうことがあったのです。
しかし、現代のインジェクション車ではその必要がなくなりました。寒いときにエンジンを始動させてすぐに走り出すのは、(もちろん最初にヒーターを作動させるのを待ちたくない場合を除き)まったく問題ありません。
都市伝説:4WD車にスタッドレスタイヤは必要ない
この都市伝説は、4WD車で雪道を走ったことがある人なら誰でも知っていることですが、実は誤りです。雪道やオフロードだと2WDより4WDのほうが優れているのは明らかですが、スタッドレスタイヤの代わりとなるものは何もないのです。4WDは、条件が揃い、雪が比較的深ければ、2WDと同じように雪の中でスタックする可能性があるのです。
さて、スタッドレスタイヤを装着した4WDは、同じくスタッドレスタイヤを装着した2WDに比べ、雪道での走破性が高いです。それは単純に、より多くの加速度、コントロール性、そしてトラクションが得られるからです。
都市伝説:保証を維持するためにはディーラーでの整備が必要
これは大きな問題です。多くの人は、車の保証を維持するためにはディーラーで整備を受けなければならないと思っています。ディーラーがその辺の整備工場よりも高い料金を請求できるのは、それが理由のひとつですものね?ですがこれは全くの誤りであることが判明しました。実際、マグナソン・モス保証法により、メーカーが保証を維持するために顧客に自社の部品やサービスセンターの利用を要求することは違法とされています。
もしディーラーやメーカーが保証を無効にすると言ってきた場合、オイル交換や他の場所で受けた何かが原因で車が壊れたことを証明するのは彼らの責任となります。
都市伝説:タイヤ交換のたびに4本すべてのタイヤを交換すること
タイヤの値段を考えると、これも大きな問題です。タイヤを交換する時は、必ず4本すべて交換しなければならないという都市伝説があります。ですが実際は、前輪駆動車や後輪駆動車の場合、交換するべきなのは2本だけです。一方、AWD車は通常、4本すべてのタイヤを交換する必要があります。ここでは、4WDではなく "AWD" と言っていることに注意してください。
なぜなら、AWD車のタイヤはすべて同じ量のトルクを受けているという単純な事実のためであり、いずれかのタイヤが他のタイヤサイズと異なってしまうと、事態が混乱する可能性があるのです。